うつ病 |
うつ病とは、強い「憂うつな気分」とともに、意欲が出ない、考えがまとまらない、眠れない、疲れやすいといった精神や体の症状が長く続いて、日常生活に支障をきたす病気です。 人は誰でも、生活の中のさまざまなできごとをきっかけに、気持ちが落ち込んだり憂うつな気分になったりすることがあります。しかし、このような気持ちの落ち込みや憂うつな気分は、原因が解決したりあるいは解決しなくても、気分転換をしたり時間が過ぎることで自然に回復します。 ところが、原因が解決しても気分が回復せず、強い憂うつ感が長く続いてふだん通りの生活を送るのが難しくなったり、ストレスから普通に想定されるよりもひどい状態になったり、長引いたりしてしまうのが、うつ病です。 うつ病には、気持ちの落ち込み、憂うつな気分など「抑うつ気分」と呼ばれる症状とともに、意欲が出ない、考えがまとまらない等の心の症状「精神運動抑制」がみられます。 また、多くの方に、眠れない、疲れやすい、といった体の症状がみられます。午前中の調子が悪く、夕方から夜になるとまったく普通と変わらないという不思議な現象もあります。うつ病によくみられる特徴ですが医学的な理由ははっきりしていません。それ以外にも頭痛、肩こり、首筋の張り、背中の痛み、腰痛、胃腸の不調、動悸、生理不順、めまいなど様々な症状があります。 うつ病は、脳の中の神経の伝達の異常によって起きる病気であり、「気の持ちよう」や「心の弱さ」「あまえ」などで起こるものではありません。 治療には一般的には抗うつ薬が必要ですが、軽度のうつ病の場合はすみやかな休養や規則正しい生活で改善します。早期発見、早期治療が推奨される理由です。 抗うつ薬治療が必要か否かは、発症してから治療開始までの時間、重症度、うつ病のタイプ、置かれた状況、周囲の協力の有無、病前性格など種々の要素によって変わってきます。 やみくもに薬を飲めばいいというものではありませんが、回復には抗うつ薬の服用が必要な場合が多いです。 また、病状が改善した後も半年ほどは服薬を続けることが再発予防につながるということが医学的に実証されています。体調がよくなったからとすぐに服薬・通院を中止せずに主治医に相談されることをお勧めします。 うつ病の療養の仕方、休職の過ごし方については、こちらも参照ください。 うつになりやすい考え方のパターンとその改善法については、こちらをどうぞ。 |